想いを声に出せたなら。




3メートル位前にそいつは居た。
身長はちっこくて、髪はコスモス色してて、頭にすっぽりと帽子を被っている、そんな奴。
口調は男みたいで、短気で、『女の子』と呼ぶに相応しいかはわからない。
それでも俺は ずっとそいつが好き。今も。







「フォー!」


「あぁ?・・・・何だ、かよ」


「何だとは失礼だなー、わざわざ声かけてやってんのに」


「そんなヒマあったら任務にでも行って来いよー」


「ひでぇなぁ。たまには休ませてくれたって良いじゃんかよ」







いつもと変わらない話。
ふっ、と。フォーがいつもと違う顔をした。
哀しそうな、虚ろな顔。
何かあったんだろうか。







「フォー?どした?」


「・・・何でもねぇよ!こっち見んなッ!!」


「・・・・お前ッ」







泣いていた。あのフォーが。
何言っても言い返してきて、強がりで、口悪い。あのフォーが。
きっと俺が今まで生きてきた中での1番のびっくりだ。







「何か・・あったのかよ?」


「・・・ッ・・バク、が。・・変、なんだ」


「支部長が?」


「何、言って、、も・・・返事・・・・してくんなくって、さぁ。
・・・・あたし、どしたら良いだろ・・ッ」


「・・・・フォー」







涙を手で拭うこともせず、肩身を狭くして、声を押し殺して泣いていた。
やっぱり、女の子なんだなぁ。
俺はフォーの前にしゃがみ込んで、ぽんぽん、と頭を軽くたたいた。







「今は、イロイロ忙しいだけだ。
またしばらくしたら、いつもの支部長に戻るさ。
だから、な。泣くなって」


「・・・・ぅん」


「お前は本当に支部長のコト、好きだもんなぁ」


「・・・・うん」







俺は笑っていた。けど、内心ちょっと泣きたい気分だった。
フォーは支部長が好き。でも俺はフォーが好き。
何だかちょっと悲しくなってきた。







「ありがと、


「・・・どういたしましてッ」







照れくさそうに彼女は笑ってくれる。
そんな顔した彼女を見てるとついつい嬉しくなってしまいます。
やっぱり好きなんだなぁ。フォーのこと。







「あたし、バクのトコ行って来るよ」


「そうかぃ。行ってらっさい」







フォーは俺に またなー と言って駆けていった。
俺はフォーに向かって手を振った。







「・・・・やっぱ、告白なんて出来ねぇよ」







俺はしばらく、この想いは心に閉まっとくことにした。

声に出せたなら、どんなにすっきりするか。

でも 俺はフォーの困った顔は見たくないから。

だから この想いは 今は 声に出さずにしまっとくことにした。













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フォー夢ぁりがとぅござぃますッッ!!!!
フォー大すきなんですvV
もぉ沫玖サンから貰ったモノゎ全て永久保存版ですょ!!!!(は?


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